新型コロナウイルスの影響による役員報酬の減額

新型コロナウイルスの影響で、売上が大きく激減するなどの急速な業績悪化を理由に役員報酬を減額した場合、その減額は税務上も認められます。

税金のルールでは役員報酬の自由な変更は認められていない

税金の世界では、会社が役員に支払うお給料、つまり役員報酬について、毎月同じ金額を支払ったものだけ経費にしますよ、というルールがあります。

毎月100万円の役員報酬と決めたら、100万円の役員報酬を支払う以外は、経費として認めてもらえないのです。

そしてその金額を決められるのは、通常であれば一年に1回の株主総会の時のみです。

株主総会で役員報酬を毎月100万円と決めたら、毎月100万円以外は、税金計算するうえで経費になりません。

変更する場合は、次回の株主総会でまた決めることになります。

このようなルールがある理由は、役員報酬額の自由な変更を認めてしまうと、利益を自由にコントロールできてしまい、税金を逃れることが出来てしまうからです。

例えば、予想よりも利益がたくさん出ている年に、

「このままでは利益がたくさん出て、税金をたくさん払わなければならないな。そうだ役員報酬をもっと増やして経費を増やせば利益が少なくできて税金も払わないで済むぞ」

という事を考えてしまうわけで、これがまかり通ると簡単に税金から逃れられてしまうので、自由に変更した役員報酬は税金上の経費として認めないとしているわけです。

認められている役員報酬の変更の理由

このように、役員報酬の変更には縛りがあるわけですが、上記の年一回の株主総会での変更以外に次の二つも認められています。

役員の地位が変わって職務内容が大きく変わった場合

例えば、新たに役員に就任した場合や、代表権がなかった役員が新しく代表権を持つ役員になった場合に、役員報酬の変更は認められます。

役員としての地位が変わったことで、仕事の内容や責任もそれまでとは大きく変わることから、このことを理由とした役員報酬の変更は、その責任や地位に見合うだけの役員報酬を定めるのですから、利益を意図的に調整しているわけでもないので、認められています。

業績がかなり悪化した場合

業績がかなり悪化してしまい、このままでは経営が出来なくなってしまうような状況になった場合の役員報酬の変更は認められています。

役員報酬を減らさなければ会社が倒産してしまうほどのやむを得ない理由ですから、認められて当然と言えます。

ただ、注意したいのは、ただ単に業績が悪化したという理由だけでは認められないという点です。

前年に比べてただ単に売り上げが落ちたからという理由は認められません。

単に売上が減ったからという理由だけでは、利益調整とみなされてしまいます。

売上が減ってこのままでは事業が立ち行かなくなるのでやむを得ず減額したという事実を客観的、かつ具体的に説明できるようにしておくことが必要です。

新型コロナウイルスの影響による変更はOK

今回のコロナウイルスの影響によって、業績が悪化して、役員報酬を減額しなくてはならなくなった場合についても、上記の業績がかなり悪化した場合の変更に当てはまります。

また今回のコロナウイルスの影響が、現時点においては売上の急激な悪化は見られないものの、今後急激に会社の財政状態が悪くなる可能性が高い場合に役員報酬を減額した場合についても、認められることになります。

ある意味、今回のコロナウイルスについては、ほぼすべての業種において影響が出るものと思われます。

人やモノの動きが止まってしまっているわけですし、経済そのものが停滞しています。

この状況を予測できた人なといないはずです。

コロナ以前にこの状況を予測して役員報酬の金額を決めた人などいないでしょう。

そういった状況を考えてみると、コロナの影響による役員報酬の減額は多くの会社で認められるのではないかと思います。

会社の存続を第一に、給付金や融資などの手を打ったうえで、必要であれば検討してみてはどうでしょうか。

■編集後記

連休前最終出社。といってもテレワークですが。持続化給付金の対応等を。

さて明日からどうしようか。