税理士試験の大学院科目免除は大変なのか

税理士になるための選択肢はいくつかあります。

その中で大学院で論文を書き、一部の科目免除を利用する選択肢があります。

私はこの大学院進学の免除を利用しましたが、決して簡単な道ではなかったということは確かです。

決して楽ではない大学院免除

税理士になるためには、通常5科目を試験で合格する必要がありますが、大学院で税法または会計に関する論文を書き、学位を取得すると一部の科目が免除されます。

私は、簿記論、財務諸表論、法人税を税理士試験で合格し、残りの税法2科目は免除でした。

試験を一部科目は受けなくていいので、試験で5科目受かるのに比べたら免除なんて~みたいに思う方も少なからずいますが、免除の道も決して楽なわけではありません。

試験とは全く違った大変さがあります。

以下は私の経験上の話なのであくまで参考までに。

大学院選び、入試

試験免除を受けるためには、まず大学院に入らないと話が進みません。

そのためには、大学院の入学試験に合格する必要があります。

入学試験も、学校によってさまざまだと思いますが、

・筆記試験
・面接試験

の二つがオーソドックスでしょうか。

筆記試験では、学校によって試験の内容も違うので、受験する学校の試験内容は確認しましょう。

面接ですが、大学院でどんな研究をしたいかが聞かれます。

勘違いしてしまいがちなのが、大学院は学校・教授側からしたら税理士試験の科目免除のための学校ではないということです。

大学院は、自分が研究したい事があるから進学するところです。

なので、「どんな研究をしたいか」ということはしっかり話せるようにしておかなければなりません。

入試では、事前に研究計画書を書くことになると思います。

研究計画書を書くためには、先行研究を読んである程度理解を深め、論文として成立しそうなテーマを予め選んでおかなければいけません。

ここがまず一つのハードルといえます。

研究テーマは入学後に変更しても全然大丈夫なので、面接の時点での研究したいテーマを話せるようにしておきましょう。

そのほか気を付ける点としては、受験資格も、学校によって違うので確認が必要です。

税理士試験の科目合格が1科目以上などの条件はよく聞きます。

また、どの大学院に行くかも十分に検討する必要があります。

・論文の指導実績のある教授がいるか
・免除の実績がある大学院か
・社会人であれば夜間や土日のコースもあるのか

など、調べておきましょう。

ネットでもいいですが、知り合いがいればその人に聞いた方が情報としては確実です。

あとは、お金です。

当然ながら、大学院に行くにはお金がかかります。

このお金をどうするのかという事も考えなければいけません。

大学院の授業を受け、単位を取り学位を取る

当たり前ですが、大学院にも授業があります。

ただ論文だけを書けばいいというわけではありません。

授業に出て、課題が出たら課題もやり、試験を受けて単位を取る必要があります。

普通の学校と同じです。

大学院なのでそれなりのレベルは求められます。

税理士試験も受験中であれば、それとは別の勉強をする時間も必要となります。

論文それ自体が過酷

論文を書くこと、それ自体がかなり過酷でした(自分は)。

膨大の量の文章を論理的に書かなければならず、自分一人で書くことは難しいです。

また論文の内容も審査に合格できるだけのレベルに達していなければなりません。

なので、必ず教授の指導が必要です。

どの教授から指導を受けたいかも考えておいた方がいいでしょう。

忙しい教授や、多くの生徒を指導している教授だと、なかなかスケジュールが合わなかったり、論文指導にまとまった時間が取れなかったりとなるので、そのあたりも考慮しておきましょう。

論文はまず何について書くか=研究テーマ選びからするわけですが、このテーマ選びが一番重要です。

研究テーマ次第で、書きやすい論文か、結論付けるのが難しい論文になり苦労することになるか、道が分かれると言っても過言ではありません。

研究テーマで、8割決まるといっていいでしょう。

なので、「こういうテーマが書きたい」というだけで突っ走てしまうと、論文として成立しなくなり、後々とても大変な思いをすることになります(私がそれでした)。

論文を書く以上、最終的には筆者自身の「見解」を書かなければいけません。

特に税法の分野は、すでに研究しつくされているテーマだと独自性を出す論文を書くことは難しくなります。

先行研究をよく読んで整理し、「書きたいテーマ」より「書けそうなテーマ」を選ぶことも重要になります。

テーマが決まれば、そのあとはテーマに関する先行研究や、判例、裁判例をひたすら収集して読んで整理するという作業になります。

学校によっては、途中でも研究の経過報告のような形で、学科の教授たちの前でプレゼンするというな場もあるので、計画的に進めていく必要があります。

論文の最終的な締め切り前は、かなり大変になると思います。

私の場合は、睡眠時間がほとんどとれませんでした^^;

論文を書き上げる最後の1~2か月は人生で一番精神的にきつかった時期かもしれません(ブラック事務所の時と比べても…苦笑)

私の場合は、書きにくいテーマにしてしまったためとても苦労しました(法人税法22条関係は大変です笑)。

でも最初から計画的にコツコツやればそんなことにはならず、必ず書き上げることが出来ますので安心してください。

二刀流?三刀流?

仕事をしている方であれば仕事との両立、税理士試験も受ける場合であれば試験勉強との両立をしなければいけません。

仕事をしていて、税理士試験勉強中であれば、そこに大学院が加わるとまさに三刀流になります(家庭の時間も入れると四刀流に)。

これら全部同時に100%注ぐというのは、なかなか難しいと思います。

例えば仕事が忙しすぎてしまったり、税理士試験の勉強ばかりになったりで、大学院にも行けない、論文も全然進まないといった事態になってしまうと、2年で修了することができないなんてことになりかねません。

逆に論文の追い込みの時期などは、かなりの時間を論文に費やすことになるので、税理士試験の勉強に集中することは難しいと思います。

最終的なゴール(税理士試験合格)を見据えて、仕事の負担や、税理士試験の勉強の進捗具合を考慮し、その中に大学院をどう組み込むのか、優先順位を決めてトータルで考える必要があるでしょう。

2年で免除がメリットに感じるならあり

みてきたように、大学院で論文を書いて科目免除といっても、簡単にいくわけではありません(私の経験上)。

税理士試験で合格するという方法に変えて、免除の道があるわけなので、それ相応の大変さがあるのはある意味当然といえます。

もちろん、2年なんて時間をかけずに試験に最速で合格するという自信があれば大学院の免除も必要ないでしょう。

それが難しく、2年かければある程度確実に科目が免除されるという点にメリットを感じるのであれば、選択肢としてアリだと思います。

お金、時間、仕事、家庭などの問題はクリアしなければいけませんが、とにかく2年で税理士登録したい、独立したい、あと何年も試験を受け続けるくらいなら…というような人は検討してみてはいかがでしょうか。

■編集後記
BS1で過去の名勝負、2001年近鉄北川の代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームランの試合を観ました。タフィ・ローズと中村紀洋の打撃フォームは野球少年なら誰もが真似したはず。