独立を考えている人が会計事務所を選ぶ時に気を付けたいポイント

税理士として登録するには、試験での合格に加えて、2年以上の実務経験が必要です。
将来税理士として独立したいと思っている人(学生、受験生、他業界からの転職など)が、実務経験を積むために会計事務所を選ぶ時、どんな点に気を付けたらいいか、自身の経験を踏まえてまとめてみます。

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担当を持たせてもらえるか

独立した時のことを考えると、自ら担当をもって、社長や経理の方とコミュニケーションを取れるような現場で経験を積んでおくに越したことはありません。

事務所内で会計データをひたすら入力するような仕事は、独立後にはあまり必要のないスキルです。

現場で社長と話をして、時にはその場で質問に答えるという経験は、自分自身を大きく成長させてくれますので、なるべく多く積んでおきたいところです。

また、税理士試験は、法人税、消費税、所得税など各税金ごとに勉強しますが、実務では、一つ取引だけでもいくつもの税金に影響してくるということが多くあります。

担当を持つと、その会社の税金と社長個人の税金と両側面から考えることが必須になりますし、さらにはその先の相続税といった話も出てくる場合もあるでしょう。

税金と税金の横のつながりに慣れておくと、複数の視点から事象を見ることができるようになるので、アドバイスの幅も自然と広がります。

独立後の仕事の方向性が定まってない場合は、狭く深く専門的なことに絞るよりも、最小のうちは広く浅く満遍なく業務ができるような環境で経験を積んでみるといいかもしれません。

残業が少ないか

時間は何事にも代えがたいものです。

特に受験生にとっては、残業が多くて勉強ができないという状況に陥ってしまうのは一番避けたいところです。

仕事が忙しすぎて一回勉強から離れてしまい、気持ちが切れてしまうと、なかなか元に戻ることは難しいです。何十年と時間が過ぎてしまいます。

税理士業界は、残業が多くブラックなイメージがあるかもしれませんが、中には残業が少ない、またはほとんどないような事務所もじっくり探せばあります。

一概には言えませんが、規模の大きい事務所はやはり案件を抱える数も多いので、長時間労働のところが多い印象です。

新卒での就活や、転職活動をするときは、1社や2社だけ受けてすぐ決めるよりも、できるだけいろんな事務所の情報を集めて、比較して、厳選する事が大切です。

会計事務所の場合、一般企業と違って合説や面接から採用まで1週間、場合によっては1日や2日で採用が決るところも多いです。

これが良い面とも言えますが、逆に検討する時間もなく結論を急かされてしまう場合もあるので、そこは流されないように、検討する時間を作るべきだと思います。

空白期間を嫌って、なんとなく焦って決めてしまうより、多少時間がかかっても納得のいく事務所を選ぶことをお勧めします。

給与交渉の際はしっかり希望額を伝える

目先のお金よりも、将来のために勉強する時間、独立のために準備する時間を大事にしたいところではありますが、だからといって安い給料で我慢することはないと思っています。

この業界のあまりよくないところですが、いわゆる「修行」という名目で一人前になるまでは薄給で働かされるという話はよく聞きます。

確かにそういう事務所が多いのは事実ですが、中にはしっかりと給与を出してくれる事務所もあります。

大事なのは、給与の希望額を伝える際に、最初から下手に出ないことです。

自分はあまり経験がないからとか、未経験だからといった理由で、最初にこちらから低い金額でしょうがないという姿勢を見せてしまうと、その金額になってしまいます。

でたらめに高い給与を希望するということではないですが、しっかりと自分の希望額は伝えましょう。

転職の場合、少なくとも前職より大きく下げることは避けたいです。

もちろんその時点で持っている科目数、資格にも左右されます。

私の場合、いくつか科目合格はありましたが、税理士法人→一般企業経理、一般企業→税理士法人と、2回転職し、在籍期間もそれぞれ1年、1年半と短い期間でしたが、いずれも上がっています。

経験が少なくても、合格科目数の評価の比重はわりと大きいです。

会計事務所の場合でも、転職は年収を上げる機会になりうるので積極的に狙っていきましょう。

新卒の方などは希望額を伝えるということは難しいかもしれませんが、あまりに給与が低いところは避けましょう。

ただ、給与が低くても、残業が全くない事務所があるなら、そういった事務所を選ぶこともおすすめします。

最速で税理士になるために自分には今何が必要なのか。

バランスを見て決めていきましょう。

入ってみてイメージと違ったら

いざ入所してみたら想像と違った、面接のときと言ってることが違う、、といったことは全くないとも言えません。(むしろ結構あります、、、)

入ってみないと分からないことにくよくよ悩んでも仕方ないので、逆に最初からあまりあてにせず、あらゆることを想定して、どんと構えておく心持ちも大切です。

自分の中で「ここは仕方ないかな」といった妥協点をいくつか持っておき、折り合いをつけるのも一つです。

完璧な環境の職場というものは存在しないものです。

それでも厳しかったら、我慢せずに撤退しましょう。

無理にしがみついて、時間もお金も健康も損なうなんてことはあってはいけません。

そこがゴールではなく、大事なのはその先の税理士合格、または独立です。

自分がいるべき場所にいくまでの、仮の場所を探すつもりで(表には出さないで)進んでいきましょう。

■編集後記

昨日から見よう見まねで始めたWordpressでのブログ。しかも確定申告時期に。

なかなか手ごわいですが、少しずつ充実させていきます。

写真も自分で撮ってあげるようチャレンジしてみます。