経営者としての税理士のことば

独立した理由の一つに、自分も経営者になって経営者として悩み、色んな痛みを身をもって知った方がいいんじゃないかというのがあります。

税金のプロ、でも経営の経験はない

事務所時代に担当先の社長と話していた時などに、ふと「経営もしたことない素人の自分が何を言っているんだろう」と思ってしまっていたことがあります。

税理士として数字の事や税金の事はサポートできている面はあるかもしれないけど、経営に関して全くの素人が社長にアドバイスなんてどの口が…と我に返って限界を感じていました。

自分が発している言葉にはなんも説得力がないな、と。

経営をしたこともない、従業員を雇った事もない、源泉徴収で済まされる納税、、、こんなで本当に社長の気持ちをわかっているのか、なにが経営者にアドバイスだ…。

いや、それが仕事だし本当はこんなこと思いながら仕事しちゃいけないんですが、正直心の奥はこんな矛盾を感じていました。

確かに、社長が税理士に求める事として、お金と数字の面だけは間違えがないようにちゃんとサポートしてくれればそれでいいと、割り切っていられる方も多いかもしれません。

でも、単純なアドバイス一つにしても、経験を踏まえて言うのとそうじゃないのとでは、言葉の重みというか届き方が違うんじゃないかなと。

それに、知識をどれだけ積み重ねていっても、いつか限界が来そうだなという思いもありました。

経営者としての経験値

経験という意味でも、色んな社長を見て年数を重ねていけば、確かに経験値も積まれていくと思いますが、

でも、それは言ってみれば「経営コンサルタント」としての経験値であって、「経営者」としての経験とは全く別物な気がしていて。

自分は、やはり経営者としての経験値も積みたいと思いました。

経験のない事を話すとしても、結局はどこまでも想像であって(想像力を働かせるというのはとても大事なことですが)、どこかフワフワしてしまうような。

特に、税理士という相手のお金を扱う仕事において無責任な事は言えませんし、やっぱりいつかは経験上の言葉で話したいなと。

経験して偉そうにとかではなく、例えば中間納税ひとつにしても、当たり前のように期限までに払ってくださいと伝えるのと、自分が同じ立場で納税の痛みを知ってそれをお願いするのとでは、言葉の重さが違ってくるような気がしています。

重いから良いとか悪いとかではないのですが、自分から伝える言葉にはやっぱりそれなりの裏付けと説得力はあるべきじゃないかなと。

もちろん、優秀な税理士はそんなことを経験しなくても的確なアドバイスで導けるでしょうし、経験がないとアドバイス出来ないという訳でもありません。

というか普通こんなこといちいち考えんわ、と同業者からは声が飛んできそうですが。

まぁただ自分がどうなりたいかと言うだけの話で、こんな考えも独立の理由になりますよ、ということです。